2010年11月7日日曜日

U.S.さんと会う約束 (世代間伝播)

その女性はいつからか常に身体のどこかに、大抵は掌からだそうですが数片の「プラチナ粉」が出るようになったそうです。 その話を聞くとY.S.先生は、
「僕も出るよ。 この仕事をするって決めた頃は、掌から腕一面に隙間なく『ブワーッ』っと出た事もあったよ。」
「そんなに出たんですか ?」
「うん、そんな話をすると真我からずれちゃうし、ただでさえオカルトとか宗教と勘違いされるから普段は言わないけれど、本当はそういう不思議な経験は一杯あるよ。」
「神託」を受けたり、「聖人の生まれ変わり」だと自称する新興宗教の教祖の中にはこういった現象を「売り」にする者が多々いるようですが、以前JA研究所のK.A.先生からそのからくりをいくつか教えて頂いた事があったので、私はこういった話を全て「眉唾」と疑って聞く週間がついていました。 例えば殺陣役者が切られたときに血糊を吐く演出をする為に口に含む道具があるそうですが、G教団の先代教祖はこれに金粉を仕込み、クライマックスに達したときに信者の前で口角沫を飛ばしながら法話をすると、唾が金粉に代わり、「○○様は唾でも金の価値がある、ありがたや。」と信者を増やしたのだそうです。 その後継者である娘の著作物はSF作家を雇ったなどと言われてますが、その父の著作物も戦国武将「狸親父」の一生を描いた作家の「山O□八」をゴーストライターとして雇って書いたものなのだそうです。 K.A.先生は出版社に知人が多く、こういった裏話にも詳しい人でした。 ですがこの2人の会話からはどう聞いてもそういった嘘・まやかしは感じられませんでした。
「過去に何度か瞑想中に部屋のイメージが浮かんできたことがあったんです。 今日ここに来てびっくりしたんですよ、それがこの部屋なんです。」
「導かれたんだろうね、多分真我に目覚めなさいって言う事なんだろうと思うよ。 あなたの持っている不思議な力も、真我に目覚めたらもっと強くなるはずですよ。」
「そうですか、じゃあ、今はちょっと金銭的に厳しいですけれど、いずれそのうちお願いします。」
2人はかなり話し込んでいましたが、頭がボーッとしていたので覚えているのはこの程度です。 そして2人の話が終わると、私は無意識に彼女に近付き、気が付いたときには数日中に会ってもらう約束をしていました。 この女性はU.S.さんという名前でした。 

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