2010年11月15日月曜日

しかと (世代間伝播)

互いに「無視」する関係というのは「喧嘩」をする関係以上にやっかいなのかもしれません。 「喧嘩」はどこかで相手と引き合っている訳ですし、相手の存在が何らかの形で「気になる」から起きる行為ですが、「無視」は相手の存在自体を「否定」する行為です。 子供のいじめの中で最も陰湿なものは「しかと」だそうですが、私と妹は互いに、この「しかと」を家庭内でしていたのです。
初めての受講で両親を対象に真我開発を始めた際、あまりに激しく母親を憎んでいたので「母との関係」ばかりに気を取られていました。 当時既に延べ5,000名に及ぶ真我開発を通じて人の心の奥深くを見つめてきたY.S.先生ですら、「これほど実の母親を憎んでいる人は滅多にいませんよ。」と驚くほどでしたら、やはり私はかなり「異常」なのだと思います。 そして、それ以上妹をも憎んでいる自分の「異常」さを、薄々は分かっていましたが、母との関係が改善されれば、祖母の同様に何とかなるだろうと簡単に考え過ぎていました。 しかしよく考えれば、母を「無視」することはありましたが、祖母を「無視」した事はありませんでしたし、そこまでする気にはなれません。 母に対しても「かわいそうだな、やり過ぎたかな」とその度に思いました。 ただ母は、落ち込んで塞ぎ込むぐらいにきつい方法を用いない限り、決して自分を振り返る事ができない性格でした。 同時に、そこまでやらなければ私の方が精神的に参ってしまいますから「正当防衛」のつもりで「しかと」しました。 でもそんな方法を妹に対しては「当たり前」にしていたのです。

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