2010年11月28日日曜日

告白 (トラウマ)

そんな生活を続けていくうちに私も高校3年になってしまいました。 S.S.に恋愛感情を抱いたのは中学校2年の夏休みからでしたから、気が付くと4年間も片思いを続けていました。 その間は常に、「自分がもっと成長して彼女に追いつかないと彼女とは釣り合わないし相手にもされない」そんな風に考えていたので、振られるよりは今の関係でいた方がずっとましだと思っていました。
この頃私は大学受験を諦め、就職するつもりでした。 国立大学は共通一次試験が導入され、とても対応できませんでしたから、私立大学受験しか道がなかったのですが、4年間の学費を考えると大きな無駄に思えたのです。 その4年間に仕事を覚え、収入を自己投資に回した方が自分の成長に繫がると考えたからです。
同時に、社会人になる事を目前に控え、いつまでも片思いのままではどうしようもないと思い始めました。 思い切って自分の殻を破らないと今の状態をダラダラと続ける事になるから、結果がどうであろうと打ち明けようという思いと、大人と感じる彼女との差がこの4年間で大きく開いてゆく一方の私なんか相手にしてくれる訳がないのだから、今のまま友達でいた方がずっといいという思いの狭間で気持ちが大きく揺れましたが、私が進学よりも就職を選んだ理由の一つに、早く社会に出て自分を成長させたいという思いもありました。 次第に、いつまでもこんな状態を続けても仕方ない、打ち明けるんだという思いが強くなり、ようやく決心が付くまでに4年もかかった訳です。
決心が付くなり、S.S.から電話がありました。 いつもの調子で、
「あたし。 どうしてる? 時間あるかな? 又いろいろ話したい事もあるんだ。」
いつものように彼女の家で会う事にして、いつものようにたわいのない話から始めました。 でも、S.S.は何か言いたい事があるのに言い出せないような雰囲気でした。 私は私でいつ話を切り出したらいいのか、そのタイミングを測っていましたので、いつもと比べるとちょっとぎこちない会話でした。 そんな雰囲気を破って話したい事を口にしたのはS.S.の方でした。
「実はね、今、『結婚してくれ』って言われてるんだけれど、どう返事しようか迷っているのよ・・・」

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