2010年10月15日金曜日

取り殺される (世代間伝播)

同時に、そんな事にはこれっぽっちも関心がなく、自分の考えをただヒステリックに押し付ける母は私の人生にとって最大の「障害」でした。 親方である父と考え方の違いから反りが合わないというなら分かりますが、仕事を全く知らないし、関与もしていない母が私のやり方に対してただヒステリックに干渉してくるようでは、例え家業を継いだとしてもトラブル続きになる事は目に見えていたので家業を継ぐ事を諦めて家を出ました。 余りの異常さに「このまま一緒に住んでいたら取り殺されてしまう」と感じたほどです。 そして独立資金を稼ぐために好条件で雇ってくれる同業者を渡り歩いていました。 同時に長男が家業を継がずに、同業者の間を渡り歩いていれば、母も多少は反省をするだろうという期待もありました。 ですが結果は期待とは裏腹で、会う機会が減って発作的ヒステリーに出会う回数が減った分、何かの機会に顔を合わせると、貯め込んでいた不満を一気に爆発させるように今まで以上の激しいヒステリーを起こすようになりました。 「母が死なない限り実家には戻れないな。」それがその時の正直な感想でした。
質問に答えてこんな話を懇談会でしていたのですが、「現代美術」がどうのこうのと偉そうに話す私の姿がNさんの目には「コチコチの石頭」と映り、良くない印象を持ったそうです。 「勘違いしていたよ。 あのときの印象と全く逆なんだもんな。」 そう笑って話すNさんと私はすっかり打ち解け、さっき初めて話をした人だとは感じられませんでした。 親しくなりたい近づきたいとずっと考えていたNさんと、急に親しくなれたことに嬉しさもひとしおでした。

0 件のコメント: