直ぐに身体を洗ってもらい、タオルで拭き終わって服を着る時、彼女が話しかけてきました。
「私は好みじゃなかったみたいね。 私達はお客さんの前で服を脱ぎながら、股間を見ているの。 服を脱いでも立たなかったら『好みじゃない』って判断するのよ。 男の人は好みなら何もしなくても興奮して勝手にいってくれるけれど、好みじゃなかったら精一杯サービスしても時間内にいってくれない事もあるからね。 お客さんが服を脱いだ時に直ぐに分かったわ。 私は好みじゃないって。」
「そんな事ないですよ。 インポなんですから。」
「あら、インポは全然立たないのよ。 お客さんはちゃんと立つじゃない。 相手が好みじゃなかったり、未だ女性に慣れていないから強い刺激がないといかなかったりしても、それはインポとは別よ。」
「全く立たないのに来る人がいるんですか?」
「いるわよ。 何をしても全然立たない人って。 あれじゃどうしようもないわね。」
最後にそんな話をされて、ちょっと気が楽になったのでしょうか、私はこれまで誰にも口にした事がない女性コンプレックスの事を話ししました。
「そうだったの。 確かに女慣れしていないみたいだものね。 私達の同僚の中にはお客さんでいっちゃう子もいるんだけれど、私は彼氏でもいった事がないのよ。 正直言ってオルガスムスに達する子達が羨ましわ。 私も女として生まれたんだから、一度でいいからそんな経験してみたいのよ。 私達、2人とも暗いのかもね。 でも、時間ギリギリでいってくれてホッとしたわ。 お客さんがいってくれないと、お金もらうの悪い気がするもの。」
そんな会話をしてお店を出て行きましたが、正直、かなり落ち込みました。 中学生の頃から憧れていた女性とのセックスとは、こんなに虚しいものだとは思ってもいませんでした。 そのまま家に帰る気にもならずに暫く近所をブラブラしていましたが、虚しさだけがいつまでも私の心を支配し、消える事はありませんでした。
その後も、マスターベーションをする際はソフトな刺激とイマジネーションを使う事に心掛けましたが、もう一度トルコ風呂に行く気にはなれませんでした。 私が行ったお店の料金は、「外1、内2、90分」、つまりお店に1万円、トルコ嬢には2万円、時間は1時間半という、吉原では標準的な店でしたが、3万円もかけて虚しい思いをする事がとても馬鹿らしく思えてならなかったのです。
2 件のコメント:
中学生の頃から憧れていた女性だからこそ緊張しすぎて、駄目だったと思いますよ。君の頭の片隅にある駄目スイッチがオンになっただけですよ。たいした事はありませんよ。
コメントありがとうございます。
今振り返れば大したことではありません。 けれど、「インポテンツ」を気に病んでいたこの頃は、どんな慰めの言葉も意味をなさなかったと思います。
そして私は、こういった体験を通じて「心の持ち方」を学んでいったのかも知れません。 そう思えるようになるには20年以上かかりましたけれど・・・
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