当然の事ですが、ストリップバーは納得がいくまで観察ができました。 熱心に観察していれば、近付いてきて更にじっくりと見せてくれます。 いつもより多くのチップが必要になりましたが、これも一生後悔しない楽しい思い出を作る為の「先行投資」だと思えば惜しくはありません。 頻繁に遊びに来てすっかり馴染み客になっていたので、舞台を降りるとドリンクをねだるりに隣に座る子達との会話を楽しみながら腰の形を必死に見詰めていました。
すっかり満足して帰宅し、シャワーを浴びながら我に帰り、自分の愚かさを呪いました。 男女を比較するから「女」と「男」の骨盤の違いを見分られるようになるのに、アラモアナでの観察は男女比が 0対10 でしたから、『全く無意味』な事をしていたのです。 仕方がないので脱衣場の鏡で自分の腰を眺めていたら、急に虚しくなってしまい、そのまま「ふて寝」してしまいました。
「女性の集団」の中に何喰わぬ顔をして潜む「元男」を見つけ出すために、私は何日も「骨盤観察」を続けましたが、努力の成果は現れませんでした。 どうしても視線は「男」を避けてしまいますし、「骨盤」よりも「局部」に視線が入ってしまうのです。 もっと大きな目標の為に投資しているにも拘わらず、つい目の前の小さな満足に終始してしまう私はやはり、大成できない器の小さい人間なのかも知れません。 帰宅してシャワーを浴びながら、我に帰る度に、いつも目的を見失い、さ迷ってしまう、志の低さを嘆く毎日でした。
そんな愚かな人間を、時は待ってくれませんでした。 あっという間に帰国の日がやってきてしまいました。 一斉取り締まりは帰国前夜も行われており、私の落胆に追い打ちをかけました。
「こんな事なら取り締まりの前に、迷わずやっておけば良かった。」
「男女の骨盤の違いくらい見分けられないで『本場』にやってくるなんて、段取りが悪すぎた。」
「大事の前で小事に気を奪われるようでは、この先何をやっても成功できないぞ。」
頭の中はそんな反省でいっぱいのまま、ホノルル空港を後にしましたが、来る時はビジネスクラスだったのが帰りはエコノミークラスとしょぼくなってしまった事も、沈む気持ちに追い打ちをかけました。
ですが、1年前にトルコ風呂でプロの女性を相手にまともにセックスができず、友人とスナックなどに行ってもお店の女の子とまともに喋れない事を気に病んでいた私が、まるでそんなことがなかったかのようにほぼ毎晩、遊び歩いていたのですから、格段の進歩があったはずです。 それなのに、この時はそんなことに「全く気が付かず」、ただ 『金髪・青い瞳・白人』 と何も出来なかった事を悔やんでいたのです。 私は「少し足りない」のかも知れません。
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