2011年1月9日日曜日

性及び精神の発達 (トラウマ)

K.A先生は講演会でいつも男にバイタリティーを求め、「サラリーマンなんて鎖に繋がれた飼い犬と同じだ」 「自分の力で金も稼げないような奴は男じゃない」 「組織の中でしか生きられないとか、女房の稼ぎがないと家族を養えないような男は『去勢』されているのと同じだ。」と、口癖のように言っていました。 まもなく不安定で先の見えない時代になり、自分の経験や感覚だけを頼りにどんな時代にも適応できる「野性的」な力を身につけない限り、これからの時代は乗り切れないという主張です。 私もそうありたかったので、食事、呼吸、運動、仕事、読書と、JA研究所で覚えた事を可能な限り実践していました。 K.K.さんのような素敵な女性に憧れられるような男になりたくて、周囲の目など意に介さず、ひたすらK.A.先生の言われた事を実践しているつもりでした。
甘い物好きは精神の発達段階が未成熟のままだというK.A.先生の言葉は随分気にかかりましたので、清涼飲料水の類は一切飲みませんでしたし、お菓子や飴・ガムの類にも一切手を付けなくなりました。 一時的にこういった事をするのは容易い事ですが、何年も持続するのは非常に難しい事です。 それでも続けられた最大の理由は、砂糖が「精力」を衰えさせると聞いたからです。 人間には身体の発達段階と比例して精神の発達段階がありますが、「味覚」もそれらと同様に発達段階がある事を主張していました。 最初に覚えるのは「甘さ」であり、叙々に「塩辛さ」や「酸っぱさ」を覚えてゆき、「辛さ」、「苦さ」へと発達してゆきます。 ですがこの発達が「甘さ」で止まっている者は自分に「甘い」し、「辛さ」や「苦さ」へと発達しない者は人生の「辛苦」を受け入れられない、つまり、「餌付け」が出来ていないのだそうです。 本能を失った生物である人間は、生まれた時から「学習」する必要があり、その「学習」の第1歩が「餌付け」続いて「躾」なのに、最初から躓いていては身体だけ大きくなっても精神的には全く成長出来ていない「大きな子供」になってしまう。 その典型が「マザコンインポ」なのだとよく言っていました。 
又、食事も勧められるままに、レアステーキを始めとする生食を心掛けていました。 K.A.先生が推薦する食べ物の大部分は、簡単に言えば「精の付く食べ物」でした。 K.A.先生は「性」エネルギーが人間を動かす点火剤だとして「性」のエネルギーを重視していたのです。 又、フロイト以上にフロイトらしいと言われた「フロイト左派」と呼ばれる学派の精神分析論を非常に詳しく研究していました。 ライヒが用い始めた「性及び精神の発達」という言葉を頻繁に例に挙げ、
「性の発育段階が未成熟なものは精神の発育段階も未成熟だ」
とよく口にしていました。 この言葉はインポテンツで悩む私の胸に深く突き刺さる言葉でした。 S.K.への思いを告げられずにいたのも、自分は精神的に幼いという劣等感からでした。 もう2度とこんな目には遭いたくない、自分を成長させたいという思いからJA研究所のトレーニングを受け、毎月開かれる講演会にも出席していたのに、そこで「インポテンツで幼稚」とあからさまに罵られたようなショックを受けました。 よく「馬鹿に『馬鹿』と言ったら洒落にならない」と言いますが、「インポテンツに向かって『インポ』と言ったら洒落どころか全く『使いもの』ならなくなってしまう」のです。

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