2011年3月29日火曜日

聖バレンタインデー (タイの日常生活)

 3月19日(土)の事です。

 今年バレンタインデー田舎に行ってたので会えなかったからと、
ホワイトデー終わったこの日、T.W.さんが私に
バレンタインデープレゼントをくれました。


ジャーン!!


蚕のサナギ揚げて塩をまぶした「ダックデー」です。

タイ語で「サナギ」全般を「ダックデー」と呼びますが、
「ダックデー」と言うと大抵の場合は蚕のサナギを指すようです。

つまり、 養蚕の盛んなタイで、最も身近な「サナギ」は蚕なのです。

W.T.さんはイサーン(東北)料理が得意で、特に彼女が作る「ソムタム」と呼ばれる

パパイアで作ったサラダはいくら作っても直ぐになくなってしまうほど評判の美味しさです。


 その料理自慢の彼女が田舎から帰って来る際に、「いたまないように」と大きめのアイスボックス
氷をたっぷり入れて、バス10時間以上揺られながら運んできて、
「私のために」料理してくれました


バレンタインのプレゼントに相応しい、手料理プレゼントです。


 タイのバレンタインデーは、男性から女性にプレゼントをするのが普通なのですが、
日本は「女性が愛を告白する日」だと、話したことがあったので、気を利かせて「日本式」に、
女性からプレゼントしてくれましたが、中身は力一杯「イサーン式」です。

タイでは「表皮水疱症」という皮膚病を「ダックデー」と呼びます。



又、私は聞いたことがありませんが、辞書を開くと、
「極度に困る」「非常に貧乏する」

という意味もあると書いてありますから、 
バレンタインデーのプレゼントとしてはどうかなとも思います。


深読みすれば、とても嫌みプレゼントですし、
素直に受け取れば真心のこもったプレゼントです。


 スピリチュアルの世界では、起きた出来事は、
「自分の心を反映している」

と言いますが・・・


 「俺はサナギなのか?」 と、もう1人の自分が何度も自問自答を繰り返しています。


 いや、いつか、カラにこもったサナギがそれを破り空を自由に飛ぶようになるんだ。
今はその日をじっと「待っている」だけなんだよ。
 そう自分に言い聞かせました。


 又、「引き寄せの法則」を引き合いに出して、
「もてない私がバレンタインのプレゼントを引き寄せられたんだよ。」とも言い聞かせました。



「詰めが甘かった」点は今後の課題です・・・


気持をポジティブに保つ事に、全身全霊を傾けましたが、今一つ釈然としません
こんな時は思考を放棄して「無」になればいいのですが、みんなと話したり、
食事をしたりしている時間中に「無」になれるほど卓越した人間ではありません。


 「こんな事なら、言われた通り、もう少し真面目瞑想をやっていればよかったな。」
 と後悔しましたが、後の祭りです。


 私がよく遊びに行く小さなお寺では、現在かなり大きな仏像を建立しています。


 私の派遣先の会社の有志が社内に呼び掛けて「お布施」募り
このお寺で「パーパー」というお布施の儀式が行われました。


 どんな儀式なのかと説明を何度も受けたにも拘わらず、未だに「未消化」で詳しいことはよく分かりません。
調べればいいのですが、この記事をアップしているのは「勤務時間中」なので、
堂々調べることができません。
気が向いたらきちんと調べることにして、本日は「割愛」します


  従業員数が350名程度の中規模工場ですが、10万バーツ(約268,000円)以上集まりました。
日給が200バーツ(約536円)ちょっとの工員の殆どは20バーツ(約54円)でしたが、
中には100バーツ(約268円)以上出す者もいました。


 「お布施」の中でも「仏像建立へのお布施」はより徳を積む事になるそうですし、
その徳がいつか自分に返ってくると考えていますから、出し惜しみをしないのです。


親類縁者に声をかけ、1万バーツ(約26,800円)以上集めてきた者もいました。


 「パーパー」が行われると聞きつけて、あちこちから人が集まってきたので、
この日だけで数十万バーツのお布施がなされたのです。


 儀式も終わると、食事の時間です。
 お寺で行事がある時、お金ではなくて、お坊さんや集まった人達のために
「食事」差し入れる者もいます。
「少しでも良いものを」買ってきたり、「腕によりをかけて」作るから、
お寺で行事がある時に出される食事は、
下手な食堂で食べるよりずっと美味しいものです。


 この日の料理はまた格別においしく、未だ食べ終わっていないて者が沢山いるにも拘わらず、
袋に詰めて「お土産」に持って帰る者までいるほどでした。
私はこのおいしい料理に、真心こもったダックデーをまぶして食べました。




 写真の腕が悪いのでしょうか、こうして見ると、あまりおいしそうには見えません
 盛り付けの悪さ照明の不充分さも関係しているかも知れません。


 1人ではとても一皿あるダックデーは食べきれませんから、
周りに座っていた人達に「愛のお裾分け」をしました。


 左の席に座っていた女の子は、を大きく広げた両手を
力一杯私の方に突き出し、顔を背けて
「いらない!」
と言いました。 オーバーゼスチャーの西欧人が

拒絶するときによくやる、「Oh! No!」 のポーズです。


 向かいのおばさんにお皿を指し出しましたが、
身体をのけぞらせながら激しく手を左右に振っています
よく見ると、心なしか顔がこわばっています。


 斜向かいの人は
ありがとうございます。 でも、もうお腹が一杯です。 どうか、あなたが食べて下さい。」

 と丁寧「拒絶」しました。


 私と視線が合った、左隣の人は未だ私が何も言わないうちに、
 「結構です。」
 と首から上を左右に小刻みに振るわせています。


 「タイ人タイ料理を食わないのかい


 仕方がないので、1人寂しくサナギを食べているうちに、お腹が一杯になってしまいましたが、
ポッカリと空いた胸の隙間は、生まれて初めてもらった「義理チョコ」ではない

バレンタインデーのプレゼントを、いくら詰め込んでも埋められませんでした。


 以前からそうですが、私は「バレンタインデー」という習慣が、


あまり好きではありません

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