2011年4月3日日曜日

ソーンテーオ (タイの日常生活)

バンコクに遊びに行った事がある人なら、見た事があると思います。 タイの小型乗合バスで、ソーンテーオと呼ばれています。 タイ語で「ソーン」は「2」を、「テーオ」は「列」を意味します。 座席シートが2列あるので「ソーンテーオ」なのです。

左右「2列」の座席が名前の由来

ピックアップトラックに座席、屋根、ステップ等を取り付けただけの簡単な改造を施して、人を目一杯詰め込み、大きめの「ソーイ」を往復しています。

普段は座席として使用します

 タイの道路の作りは「川」に似てい て、大きな道路には無数の小さな道路が繋がっています。 この「本流」に当たる道路を「タノン」と呼び、「支流」に当たる小さな道路を「ソーイ」と呼びます。

不要なら折り畳めます

 この「ソーイ」はほとんどの場合、他の「ソーイ」のは 繋がっておらず、段々と細くなって行きます。 「支流」同士が繫がっていない為に、「裏道」が殆どないことも渋滞の原因の一つかも知れません。

自慢げに愛車の説明をするオーナー

この「ソーイ」へ流れ込む、もっと小さい道を「タローク」と呼ぶそうです。 更に人がすれ違う事が出来るか出来ないかの狭い道、日本の下町で言えば家と家の間の「私道」のような狭い道は「ソークソーイ」と呼びますが、そんな入り組んだ所迄行く事は滅多に有りませんから詳しい事は良く知りません。

別に彼が作った訳ではありません

「ソーイ」も「タローク」も、奥へ行けば行く程細くなり、最後は行き止まりとなるのが一般的なパターンみたいです。 もしかしたら「川の流れ」よりも、大きな「樹」をイメージした方が分かり易いかも知れません。

昇降用後部ステップ

この「ソーンテーオ」、バンコクだと主に大きめの「ソーイ」を走っていますが、地方では主要道である「タノン」も走っています。 路線バスと異なり、大きな街をいつくか繋ぐだけなので走行区間が短いです。

このステップも折り畳み式です

路線を往復しているならもう少ししっかりと作りますが、車体に走行区間を表示して「路線バス専用」として利用することになります。

後部ステップを折り畳んだところ

この「ソーンテーオ」のオーナーは個人事業主で、普通はどこかの「手配師」から仕事をもらっています。 工業団地近辺では、この「手配師」という仕事は「利権」が絡み、おいしい商売なようですが、ある意味「地回り」的な部分があり、素人が迂闊に参入できない分野です。

人が昇降するのにちゃちなワイヤー(定期的に切れてしまいます)

座席や昇降用ステップが可動式になっていて折り畳めるので、多用途目的に使用できます。

一見よくできているけれど、よく見ると雑な作り

工業団地ではもっぱら、社員の送迎車としても利用されています。
この写真の「ソーンテーオ」のようなライトな作りの場合、平日は社員送迎以外に使用し、休日は引っ越し、買い物の荷運び、タクシー代わりに使っているはずです。

雨漏りがするのでしょう、コーキングをベタベタ塗りたくってます

このソーンテーオが多数走行している街には、ピックアップトラックを改造してくれる「整備工場」がたくさんあります。 程度の悪い整備工場で作ると、座ったときに蝶番部がお尻に当たって痛い思いをしたりします。

雨が降ると自動車も「カッパ」を着ます

雨が多い国なので、「降雨対策」もなされていますが、構造的に雨水が入り込みますし、ろくに「メインテナンス」をしないので多少の雨漏れは「我慢」です。

構造的に細部から水が入ります

路線バスの場合、助手席に座れるのは何故か若い女性だけです。
私が運転手だったらやっぱり、隣には若い女性が座って欲しいと思いますから、気持ちは分かります。 でも「公共機関」でね・・・
人が乗り込むと、後部を閉めれば完璧な降水対策


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