2011年1月22日土曜日

夜の盛り場 (トラウマ)

私はアルコール類を一切飲めません。 K.A.先生から砂糖と「酒」の害は殆ど同じだと言われていた事もありますが、父も決して強くありませんし、飲んでも旨いとは思えないので、飲む気にはなれないのです。 ですが、友達と飲み屋に行くのは好きでしたので、よく遊びに行ってました。 アパート周辺のロケーションが頭に入ると、夜の盛り場が何処にあるのかも自然に見当が付いてきます。 夕食後、散歩がてらに盛り場を歩き回り、気になったお店に入ってみました。 入るなり、体格がいい、ちょっと柄の悪そうな2人組の男に声をかけられました。
「20歳以下は入店禁止だ!」
「私は24歳です。」
「嘘こけ、ならパスポートを見せろ!」
と言ので、取り出してみせると、
「Sorry」
と入口に戻ってゆきました。 店の真ん中にステージがあり、その周りを囲むように椅子が置いてあり、入口の反対側にはカウンターがあります。 店内はフルボリュームで音楽が流れ、ステージの上では女性が服を脱ぎながら踊り、それを眺めながら酒を飲む訳です。 気に入ればチップを出し、チップをはずんでくれた客には近付いて来てじっくりと鑑賞させてくれます。 ステージを降りると休憩を取る子もいれば、気に入ったお客との会話を楽しんでいる者もいます。 女性にドリンクを奢れば、ゆっくりと話し相手になってくれますし、そうでなければ直ぐに他のお客の方へ行ってしまいます。 誰かに説明してもらわなくても、暫く周りを眺めていれば直ぐに理解できる分かりやすい「明朗会計」システムでした。 30分もしないうちに、ステージで踊っている女性にチップを渡し、気に入った女性を呼んで会話を楽しんでいる自分がいました。 そして「金髪は下の毛も金髪なのか」という、小学校から持っていた疑問にも、たくさんの模範解答を戴きました。
日本ではスナックなどに行っても、お店の女の子ともろくに口がきけないかったのに、何故ハワイでは周りの人達と同じように振る舞えたのか、今考えても不思議です。 ですがこの時、私は自分の振るまいに全く疑問を持たず、このお店を出ると2件目のお店へと向かいました。 1件目でお店の雰囲気に慣れてしまった私は、2件目ではすっかり盛り場に馴染んでいました。 警備員というよりは「用心棒」と言った方がいい男達に向かって “Hi” と声をかけ、すたすたと入っていきましたが、今度のお店は何も言われませんでした。 その代わり、お店の女の子には代わる代わる「あなたは何歳なの?」と聞かれました。 私は中高校生の頃は「老け顔」と言われていましたが、19歳の時にJA研究所でトレーニングを受けると、1ヶ月後には「童顔」と言われるようになり、23歳になっても高校生と間違えられる事がありました。 駐在員の話では、日本人は最低でも5歳は若く見られるそうですから、童顔な私は中高生が遊びに来たのかと間違えられてしまうようです。
翌日の朝食の時、昨晩は何処を遊び歩いていたのかと皆に尋ねられたので、盛り場をうろついていた事を告げると、よく1人で知らないお店に入る気になるなと呆れられました。 ですが、私には一つ一つの出来事がとても新鮮な体験で、楽しくて仕方がなかったのです。 他の職人3人は、誘っても「英語が話せないから」と尻込みしていきませんし、駐在員は図面をさっさと描き上げなくてはいけないか、疲れを取る為にゆっくりと休みたいかのどちらかだったので、私はほぼ毎晩、1人で遊びに行ってました。




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