2011年1月24日月曜日

葛藤 (トラウマ)

それでも「防戦に次ぐ防戦」の中で、少しずつですが「免疫」を身につけたようです。 初戦のように不用意に相手の「間合い」に踏み込んで行かなくなりました。 常に相手のランクに応じた「間」を取る事によって「平常心」が生まれ、今夜は誰と思い出作りをしようかと、作戦遂行のために必要な判断を下せるようになりました。 一先ず仕切り直しが必要ですから、再度、通りの端から端までゆっくりと歩き、「間合い」に気を付けながら「品定め」をやり直しです。 ランキング上位の者はとても甲乙付けがたいものがあります。 それはまるでオーラを身にまとったかのような迫力すらありました。 女性経験の少ない私にとって、このフェロモンオーラだけで迫力負けしてしまい、冷静さを維持するのは容易な事ではありません。
「え~い、この際、誰だっていいや!」
と迫力負けして玉砕覚悟で突撃しようとしている自分がいます。
「待て、よく見て、納得のいく選択をするんだ。 後悔したくないだろう?」
と冷静に諭すもう一人の自分がいます。 思考は徐々に混乱を始めました。 下半身がその混乱に拍車を掛けてきます。 毎日ワイキキビーチで鑑賞ばかりしていたので、我慢の限界ギリギリなのです。
「電気消せばみんな一緒だよ!」
「馬鹿! それならあそこの値段安そうなのにすればいいだろう!」
「いや、それは勘弁。」
「だろう、何が大事かよく考えて行動しろ!」
その時、第3の自分が割入って来て、こんな発言をしました。
「この国に『美人局(つつもたせ)』はいないんだろうな?」
私も、もう一人の私も、そして下半身も、一瞬、“FREEZE” してしまいました。 そう言えば、来る前に読んだガイドブックに、この通りで売春婦を買って、トラブルに遭う者が多いから注意するようにと書いてありました。 もう一度周りを見回すと、さっきまで甘く誘っていたその目は、獲物を狙う野獣のようにギラついて見えてきました。 まだ工期もあることですし、怖くなったのでその日は意気消沈して引き上げました。
翌日、現場の職人に色々と尋ねましたが、力一杯笑われてしまいました。 美人局もいるそうですし、警察に通報されれて捕まる外国人観光客もいるそうです。 そして、「危ないからそんなところには行くな」と注意されました。 一人、年が近い見習い職人がいて、他の職人がいない時に詳しく教えてくれました。 一般人はあまり “Street Girl” など買わないのだそうです。 私の周りの職人は、結構「女遊び」が好きな人が多かったのですが、 お国柄の違いなのでしょうか。 その若い職人を誘って遊びに行こうとしましたが、彼女と一緒に暮らしているから、夜、盛り場をうろつくのは勘弁してくれ。 今、言い訳考えているから、来週行こうという事になりました。 自分で警戒しながら遊びに行くより、地元の人間の案内があった方が安く楽しく遊べますから、楽しみは後に取っておく事にしました。

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