2011年1月26日水曜日

思い出作り(本番) (トラウマ)

夕食の時、
「今日、逆ナンされちゃった。」
「嘘こけ!、あり得ない。」
「本当だよ、金髪、青い瞳の白人が、甘い笑顔で話しかけてきたんだ。」
「何処で?」
「水族館の前・・・」
「で、どうしたの?」
「慌てて逃げた・・・」
「何で?」
「ちょっと怖くなって・・・」
「え、もしかして・・・」
何年も住んでいるので、駐在員はさすがに分かったようです。
「あの辺り、多いらしいよね。 よく聞くし。」
「“なよッ” としていたのに、近くで見たらすごくがっしりしていて、あんなのに襲われたら、今頃夕食も取らずにベットで一晩、泣いてなきゃならない所でしたよ。 おかしいって分かったから、走って水族館に逃げたけれど、あんなに人を怖いと思った事は初めてですよ。」
あの男は多分ホモだと思いますが、だからといって話しかけた男が強姦すると決めつけて人に話する私もどうかと思います。 ですが、「未知との遭遇」を果たした私にとって、理性的な推測などは本能が訴える危機の前には何の意味も持ちませんでした。 その日から、ワイキキより先には決して一人では行かなくなりました。 そして、今でも体付きがよくて “ねちっ” とした男は大の苦手です。
翌日、現場で現地の職人に水族館周辺の事を聞きました。 再び大笑いされた後で、「男色」の気がないなら、そんな車には1人で乗り込まないに超した事はないと言われ、私の勘に狂いはなかった事を確信しました。 
その数日後、見習い職人が
「今週末から暫く、彼女がいないから、一緒に遊びに行こうよ。」
と誘ってきました。 その彼と、その兄貴分的存在で最も真面目にやる職人の2人は、ほとんど私と組んで仕事をしており、すっかり打ち解けていましたが、彼はその兄貴分に遊びに行く事を知られたくないようで、その日は何を話すのもヒソヒソ話でした。
その日の夕方、約束の時間にアパートの前まで車で迎えに来てもらい、一緒に食事をしながら時間が来るまで待ちました。 カラカウア通りには日没から「立ちんぼ」をしている女性が現れますが、あまり客が取れない者が早くから出勤してくる訳ですから、決して焦ってはいけない事は数回のマーケティングリサーチで分かっていました。 トップランカーが現れる時間になると、客の数も増えますし、交渉が活発になってきますから、時間との勝負になります。 料金はまちまちですが、ランキングとほぼ比例している「適正価格」でした。 見習い職人は、観光客はぼられるから、俺が交渉してやるよと、仕事の時には決して見せない自信満々の態度でした。 頼れる友達ができて本当によかったなと思いました。

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