2010年12月17日金曜日

好転反応 (トラウマ)

K.A.先生の説明によると、例え「右肩下がり」に症状が悪化しても、人はそのまま「右肩下がり」に症状が悪化しているとは感じないものなのだそうです。 例え症状が悪化しても、慢性化する事により、人の感覚は苦痛を和らげる為に、又は悪化が感覚にまで及ぶ為に「麻痺」して感じなくなってゆくので、「症状が改善された」と感違いする事も珍しくなく、この「麻痺」した感覚が「悪化」を察知できた時には、症状は既にかなり悪化しているのが多いパターンなのだそうです。 ですから症状自体は「右肩下がり」の悪化であるにも拘わらず、人の感覚は悪化と回復を繰り返しながらも長期的にみれば徐々に症状が進行しているように感じ、症状の改善には必ずこの「麻痺した感覚」の回復が伴うので、「返って症状が悪化した」と訴える者が大部分となります。 「好転反応」が起きるまでにきちんとラポールを築き上げてしておかないと、「悪化した」と勘違いしたクライアントが他のクライアントにまで不平を漏したりして、不安が一気に蔓延する事も「治療家」の悩みの種だそうです。 また、観察力が伴わないと、「好転反応」だと思っていた症状が、実は本当に悪化していた場合、悪化を加速させて取り返しの付かない事になるので、常に注意を怠らない事も必要なのだそうです。
JA研究所の「好転反応」は他で経験する「好転反応」よりも強い反応が現れるように思いますが、その期間中ですら、身体が本当に動けないほどしんどい場合を除き、いつもと同じトレーニングを行っていました。 頭がボーッとして、身体が言う事を聞かないにも拘わらず、ある程度仕事ができる人は、愚痴ったりしながらも何とか仕事をこなしていました。 「プロ」としてのレベルが高い人は、トレーニングによって実質の仕事時間が短縮されているにも拘わらず、普段以上の仕事量をこなせたり、仕事量が同じなのにいつもより遙かに短い時間で仕事を終えてしまい、周りも当人も不思議がっているケースをよく見ました。 「意識」のブレーキが外れ、本来の能力が発揮されたからだとK.A.先生は説明していました。 ただ、傘や鞄などを置き忘れる確率が非常に高くなるので注意が必要だともアドバイスしていました。
私の拙い「好転反応」の経験から、もし「好転反応」の苦痛の度合いを数値で表せるなら、「苦痛度」と「好転反応の期間」の積は等しいのではないかと感じています。 もしクライアントが苦痛を訴えるので、処置を弱めれば、「好転反応の苦痛度」は下がるかも知れませんが、その分苦痛を感じる期間も長引き、費用も嵩めば、精神的決意も鈍り勝ちです。 と言うのも、この「好転反応」が起きている時は、身体だけではなく、精神的に弱い部分が出てくる事が多いようなのです。病気になった人をよく観察すると、その病気になる人の「性格の傾向」があります。 糖尿病が「わがまま」とか、癌が「頑固」などです。 勿論、全員がそうだという訳ではありませんが、そういう傾向があり、好転反応が起きている間はその傾向や精神的な弱点が顕著に現れるのです。 ただでさえ精神的に不安定になっている時に周りから止めた方がいいなどと言われると、せっかく良くなっているのに途中で投げ出してしまう事がとても多いのです。 もしも反応を一気に出せるなら、2、3日から1週間、事故にでも遭ったと思って寝込んででも一気に出し切った方が、悩む暇もなく終わってしまい後々楽だと思います。
私はトレーニングを初めて受けてから3年以上、「好転反応」に苦しみましたが、その経験とJA研究所で受けた「感覚訓練」を初めとするトレーニングは、20年、30年と経過しても、私にとって「絶体絶命」の窮地を救う道標の役割を果たしてくれることになりました。

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