2010年9月27日月曜日

「『知らなければよかった』と思いますよ」 (世代間伝播)

その日の仕事を終え帰宅すると、私はすぐY.K.さんに電話をして、この2日間のセミナーで見た事を説明し、アドバイスを求めました。 Y.K.さんによれば「決して焦らず、無理をしない。」ことが第一だそうです。 世代間伝播の問題は根深く張っていて、1歩前進したかと思えば、2歩も3歩も後退してしまい、努力は空回り、無力感に苛まれる事は珍しくないとのことです。 ですが、年単位で見れば、努力は僅かずつではあっても実を結ぶから、決して諦めないようにとアドバイスしてくれました。 話を聞きながら、Y.K.さんがこの問題に関わるきっかけになったという出来事が頭の中に浮かんできました。
Y.K.さんには2人の娘さんがいます。 幼い頃は2人とも体が弱く、よい病院だと聞けばかなり遠くまで通ったそうですが、体は丈夫にはならなかったそうです。 ある日、症状がかなり重かったので、旦那さんの友人の紹介で旦那さんの勤務先から近いT病院へ子供を連れて行ったそうです。 そして子供が病弱で病院通いを頻繁にしている事を医師に訴えました。 診察に当たった若い医師は一通り話を聞き、いくつか質問した後、「あなたが死ぬ気で取り組めば、お子さんを救う事はできますよ。 ただ、それはあなたにとって本当に辛いことですよ。」と答えたそうです。 Y.K.さんは子供を助けたい一心で「やります。」と答えたそうです。 医師は「本気で取り組むならお話ししましょう、ですが、『知らなければよかった』そう思いますよ。 でも、一度始めたら後戻りはできませんよ。 覚悟して下さい。」と何度も念を押してから世代間伝播について詳しく説明してくれたそうです。


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