「仏像(ソムデットオンパトム)建立1」で、「折角珍しい資料が手元にある」と書いたのは、別に建立現場の撮影写真が手元にあるからではありません。
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本体の作業をほぼ終え、脚の上に溜まった細かい蜜蝋のカスを払い落とす |
仏像を建立する際は、必ずスケールモデルを作成し、スケールモデルを元に設計を行います。 そのスケールモデルの作成現場に立会うチャンスがあったのです。
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製作の「峠」は超えました |
予め現場で「施主」と細部について検討しやすいように、業者は予め大まかなスケールモデルを作って持って来ました。
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いよいよ右腕の取り付け |
それでも殆ど「作り直し」だったと言える程、手を入れたそうです。 手直しには3日もかかりました。
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手首の返しの角度、指の揃え具合、掌のふくらみ具合など、何度も微調整しました。 |
私は3日目の形がほぼ出来上がり、最後の工程である右手を繫ぎ合わせる少し前に到着しました。
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仕上がりのイメージと合っているか確認 |
スケールモデルは「蜜蝋」を使って作られます。 灯油缶に入れた蜜蝋を火にかけて溶かし、冷めてゲル状になったもの必要量ずつ使います。
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親指の曲がり具合や指の開き具合を微調整 |
温度が下がった蜜蝋をこねて形を作り、針金を安全カミソリのようなT字型に曲げた簡単な道具で削り落としながら望む形に近づけてゆきます。
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掌の膨らみ具合が、後ろの「原画」と僅かに異なるようです |
細部は数本のヘラを用い、線を描いたり削ったりします。
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掌のシワにまでこだわる |
掌は特に念入りに作られ、腕を接合する前に何度も微調整を繰り返しました。
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ここまでできれば、後は接合です |
手前の黒いTシャツを着ている人はお弟子さんです。
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一番弟子は寡黙な男でした |
台座の周囲を飾る「蓮華」も普通はピッタリくっついて「蕾」のようですが、この仏像の蓮華台は「開花」しています。
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「蓮華台」は彼の担当です |
スケールモデルだから開く事は出来ても、実際の工事でこのように開花させるのはとても手間がかかって大変なので、普通は行われません。
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花びら同士の間隔を揃える勝手がいつもと違うので苦労しています。 |
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