1年生の時はクラスもクラブも一緒でしたが、
クラス替えで2年生からクラスが別になった同級生がいました。
ちょっと腹が立つ事があって、部室でそいつと口論になりました。
人を小馬鹿にするような口の利き方に堪忍袋の緒が切れて、
力任せにそいつをぶん殴りました。
「やめろよ!」
そう叫びながら、体を丸める彼の頭、背中、脇腹をなぐり続けました。
以前からむかついていたので、抑えが効かなかったのです。
側で見ていた先輩が止めに入ったのですが、
怒りは直ぐには静まりません。
足蹴にしたらば、さすがに他の先輩もやって来て、
力一杯怒られました。
「僕は一切、手を出していませんよ! 先輩!」
このチャンスを逃すまいと、
そいつは被害者意識丸出しの声で先輩に泣きついています。
「お前が手を出さないから、喧嘩にならなかったじゃないか!
だから俺がお前の分まで手を出してやったんだ! ありがたいと思え!」
もしも彼の分まで手を出したのなら、
自分で自分を殴らなきゃならないはずだよなと、
突っ込みを入れる、もう1人の自分がいました。
ですが、まだ高校生だった私にとって、
「もう1人の自分」は「自分の都合が悪い」時には
小さい声でしか発言しないので、私は無視しました。
「喧嘩なら両成敗ですけれど、これは『一方的な暴力』ですよ! 先輩~」
「てめえは本当に卑屈な野郎だな!
いいか! 一人二役やったから、俺はとても疲れたんだぞ!
『お疲れ様でした』
って飲み物ぐらい買ってくるのが礼儀ってもんだろうが!」
今こうして振り返ると、私は礼儀も道理もわきまえていない、
低俗な人間だったような気がします。
こんな2人の間を取り持つ気にもなれなかったのでしょう、
「とにかく、部室で喧嘩はするな! いいな!」
新しい部活のルールを即急に作成して、先輩は帰宅しました。
私は帰宅してもまだ部室での事に腹が立っていました。
明日、もし謝らなかったら、もう1度力一杯ぶん殴ってやるぞ
と拳を握ると小指に痛みが走りました。
嫌な感じがしたのでゆっくりと手を開くと、
左の小指が外を向いています。
慌てて整骨院に行くと
「折れていますね」
と言うなり、スタッフ全員で私を抑え付け、
外を向いている左の小指を引っ張りました。
悲鳴を上げたときはもう骨接ぎは終わっています。
添え木を当てて、左手がグルグル巻きにされてしまいました。
殴った奴が骨折してはお話にもなりません。
ばれたらみんなに馬鹿にされるのは目に見えているので、
翌日登校するなり
「階段でこけた」
と一生懸命言いふらしましたが、
ばれやしないかと冷や冷やものの毎日した。
私は喧嘩が強い方ではありません。
でも、この時ほど「喧嘩に向いていない」と思った事はありません。
そして、この日以来、
私はマハトマ・ガンジーを尊敬するようになりました。
ちょっと腹が立つ事があって、部室でそいつと口論になりました。
人を小馬鹿にするような口の利き方に堪忍袋の緒が切れて、
力任せにそいつをぶん殴りました。
「やめろよ!」
そう叫びながら、体を丸める彼の頭、背中、脇腹をなぐり続けました。
以前からむかついていたので、抑えが効かなかったのです。
側で見ていた先輩が止めに入ったのですが、
怒りは直ぐには静まりません。
足蹴にしたらば、さすがに他の先輩もやって来て、
力一杯怒られました。
「僕は一切、手を出していませんよ! 先輩!」
このチャンスを逃すまいと、
そいつは被害者意識丸出しの声で先輩に泣きついています。
「お前が手を出さないから、喧嘩にならなかったじゃないか!
だから俺がお前の分まで手を出してやったんだ! ありがたいと思え!」
もしも彼の分まで手を出したのなら、
自分で自分を殴らなきゃならないはずだよなと、
突っ込みを入れる、もう1人の自分がいました。
ですが、まだ高校生だった私にとって、
「もう1人の自分」は「自分の都合が悪い」時には
小さい声でしか発言しないので、私は無視しました。
「喧嘩なら両成敗ですけれど、これは『一方的な暴力』ですよ! 先輩~」
「てめえは本当に卑屈な野郎だな!
いいか! 一人二役やったから、俺はとても疲れたんだぞ!
『お疲れ様でした』
って飲み物ぐらい買ってくるのが礼儀ってもんだろうが!」
今こうして振り返ると、私は礼儀も道理もわきまえていない、
低俗な人間だったような気がします。
こんな2人の間を取り持つ気にもなれなかったのでしょう、
「とにかく、部室で喧嘩はするな! いいな!」
新しい部活のルールを即急に作成して、先輩は帰宅しました。
私は帰宅してもまだ部室での事に腹が立っていました。
明日、もし謝らなかったら、もう1度力一杯ぶん殴ってやるぞ
と拳を握ると小指に痛みが走りました。
嫌な感じがしたのでゆっくりと手を開くと、
左の小指が外を向いています。
慌てて整骨院に行くと
「折れていますね」
と言うなり、スタッフ全員で私を抑え付け、
外を向いている左の小指を引っ張りました。
悲鳴を上げたときはもう骨接ぎは終わっています。
添え木を当てて、左手がグルグル巻きにされてしまいました。
殴った奴が骨折してはお話にもなりません。
ばれたらみんなに馬鹿にされるのは目に見えているので、
翌日登校するなり
「階段でこけた」
と一生懸命言いふらしましたが、
ばれやしないかと冷や冷やものの毎日した。
私は喧嘩が強い方ではありません。
でも、この時ほど「喧嘩に向いていない」と思った事はありません。
そして、この日以来、
私はマハトマ・ガンジーを尊敬するようになりました。
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