私とK.N.さんが話していると今度はM.I.さんがやって来ました。 初めて参加した無料セミナーでは、自らの体験を語る彼女の姿を見て、私は受講を決意しました。 酒飲みだった父親は母親にも子供にも容赦なく暴力を振るったそうです。 自宅によその女を連れ込み、隣の部屋で泣きじゃくる母親と夜を過ごした事が何度もあったそうです。 また「おまえなんか殺してやる」と包丁を突き付けられ追いかけ回されたたこともあったそうです。 父に対する良い思い出など全くないと言っていいくらい酷い父親で、亡くなったときはむしろ「ホッとした」のだそうです。
Y.S.先生によれば、こういった父親を持った女性は男性像が恐ろしいもの、悪いものとなり、父親と似たような傾向を持つ男性と引き合ってしまうので、交際しても結婚しても不幸であることが殆どで、「世代間伝播」「世代間連鎖」の典型的な例なのだそうです。 当時は知りませんでしたが、「共依存」と言うのだそうです。 最近では「引き寄せの法則」の悪い例と言えばもっと分かり易いかも知れません。
そんな父をどうしても赦す事ができずにセミナー中はかなり苦しんだそうです。 「あんな父、赦せる訳がない。」とそう思いながら鉛筆を走らせると、辛かった日々の記憶が鮮やかに蘇り、その場から 何度も逃げ出したくなったそうですから、「カタルシス」の前の激しい「葛藤」だったのでしょう。 スタッフの方々から、「もう嫌だ」と途中で投げ出そうとする人をなだめ、諦めずに受講を続けさせることも大事な仕事だと聞いた事がありましたから、逃げ出そうとする人は随分いるようです。 そして父親に対する赦しがたい憎しみ、蘇る当時の記憶による辛さ、そして長時間感情が剥き出しになるために起きる心的疲労などが混じり合って心の限界許容量に達したとき、『ごめん』とお父さんの謝る声が聞こえたそうです。 その瞬間、彼女はあれほど憎んでいた父親の全てを赦す事ができたそうです。 そして、「真我」とは何なのか、理屈ではなく「体感」として理解できたそうです。
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