セミナーが進行して行くにつれ、ある場面で真っ黒だった母の顔がぼんやりとですが見え初めてきました。 はっきりとは見えないけれどやはり笑顔なように感じます。 そしてその時の母の心は幸せに満ちていた事を感じ取ることができると、涙が止まりませんでした。 更に深く掘り下げて行くにつれ、ぼんやりとしていた笑顔が徐々にはっきりしてきました。 そしてようやく、思い出せる母の笑顔がもう一つ増えたのです。 「もう少しやってみましょう、お母さんの笑顔は今のあなたにとってとても大切ですから。」Y.S.先生にそう言われてさらに続けました。
何らかの前進があった瞬間は「やった、出来た。」そう思えるものですが、その結果を得るまでの過程は異常に苦しいものです。 「何でこんな思いをしながら『真我』なんか開発しなきゃならないんだ?」 そんな思いが頭の中をよぎるのは1度や2度ではありません。
私がこのセミナーで経験している事は、たった2日間で「カタルシス」とそこに至るまでの「葛藤」を連続的に繰り返しているのかも知れません。 そして、それに伴う疲労も相当なものです。 昼食と夕食はセミナー会場で取りましたが、味など殆ど分かりません。 そして食べ終わるなり作業を続けました。 会場にはお茶、コーヒー、飴などが用意してあり、疲れた人は適当にブレイクを取っていたようですが、私はそれすら殆ど手を付けませんでした。 「早飯早糞芸のうち」というように職人にとって当たり前の事で慣れているとはいえ、前回、前々回とも、セミナー終了と同時にどっと疲れが出て放心状態になりましたから、ある意味重労働です。 ですがその甲斐あって母に対する思いはかなり浄化されたようで、更に1コマ2コマ、母の笑顔を思い出しました。