胃の痛みは続いていましたし、疑問が解消した訳ではありませんが、ここで私はようやく気持ちに余裕ができたのでしょう、周囲の参加者の顔を見回しました。 そしてちょっと唖然としました。 皆、「迷い」を持っている人達ばかりなのです。 まるでどこかの新興宗教団体の集会にでも勧誘され、講話を聞かされているような錯覚に陥りました。 ただ、その中に一人、目映いほどの光を放つ、美しい女性がいました。 驚きのあまり、暫くの間見とれてしまいました。 美人でしたが、その外見に見とれたのではありません。 まるで後光が差しているようにその女性の周りだけが輝いて見えたのです。 正直、これほど人が眩しく映った事はこれまでありませんでした。
Y.S.先生の質疑応答が終わると、セミナー受講者の体験発表があり、彼女も自ら進んで発表しました。 亡くなった父親との間に壮絶な確執があり、父親が亡くなった後も彼女の人生に大きな影響を及ぼしていたそうです。 そしてセミナー受講中に父親の「ごめん」という声を聞き、総てを許せたのだそうです。 今までだったら間違いなく「うさんくさい」とか「サクラ」じゃないかと疑っていたはずの私が、何故か逆に胸を強く打たれました。 自分でも驚くほど素直に彼女の話を受け入れたのです。 そして、「受講してこんなふうに変われる可能性があるのなら、参加してみたい。」 そんな気持が湧いてきました。 「直前でキャンセルすればいいや」と全く関心のないセミナーだったはうですが、涙ながらに話す彼女の姿を見て体験談を聞いているうちに、私は受講を決意していました。
0 件のコメント:
コメントを投稿