2012年8月1日水曜日

毒吹きコブラ 2 (タイの日常生活)

 取り敢えず「ケーオ」がいる洗面台の上に「聖水」と「蜜蝋」を置き蓋を開け、「ケーオ」の首根っこを押さえ付けようとしたら、N.N.さんがやって来ました。 彼女がいれば、「ケーオ」も逃げたり抵抗したりしないはずです。 右目は全く開かず、たまに開く左目は白濁している事を説明し、「聖水」で眼球洗浄、次にまぶたの内側に「蜜蝋」を塗る手順を簡単に話して、私が「ケーオ」の首を押さえました。
   無理矢理まぶたを開いて水を掛けられたので「ク~ン」と弱々しい泣き声をあげています。 でも、まぶたの開き方が中途半端で、充分な洗浄が行えていないような気がします。 タイ人はこういう事がとことん大雑把です。 「蜜蝋」もまぶたを開いて眼球とまぶたの間に塗り込むように言ったのに、まぶたの上に 「ベト~ッ」と塗りつけて
   「うん、これで大丈夫。」
   って、これじゃ、意味がないような気がします。


夫婦で近所の果樹園を経営しているお婆ちゃん。
手慣れたものです。






 私が塗り直そうと片方の手を「蜜蝋」が入った容器に手を伸ばすと、手が緩んだ隙をついて「ケーオ」は私の手から逃げてしまいました。


   「もう終わりだから。 もう大丈夫だからね。 ゆっくり休みなさいね。」
   そう言ってN.N.さんは「ケーオ」をなだめながら洗面台の下に寝かせました。 暫くの間前足で目をこすっていたので、前足にも「蜜蝋」を塗っておきました。 直接眼球には触れないかも知れませんが、まぶたの腫れを引かす事はできるでしょう。 これ以上は仕方ないのかなと思いながら眺めていると、疲れたのか寝てしまいましたので、私とN.N.さんはトイレを出ました。
  「ケーオ」の事が心配でしたが、私達がそばに居ると落ち着いて寝られないでしょうから、果物を摘みに戻りました。 皆は奥で成っているランブータンの実を摘んでいましたが私は手前にあるロンコーンの実を摘みました。 熟していない果実を摘んでしまうと、もうそれ以上熟さないの果実なので、樹上で熟してから摘め取る手間のかかる果実で、雨に当たると房が足の長い白カビだらけになってしまう、結構手間のかかる果実なせいもあってか、市場価格はランブータンより高価です。 ライチよりも水分が少なく、透明感のある果肉は種ごとに複数に分かれており、皮にはヤニを多く含んでいるので、皮を剥くときに爪を使うと、爪の中が黒くなってしまいます。 



こちらは「ローンコーン」の実。
木によって実の味がかなり違いました。



 気の合った仲間とワイワイやりながら食べる完熟果実の味は格別で、本来なら楽しい時間を過ごせた筈なのですが、「ケーオ」の事が気になってしまい、心から楽しめません。 こういう時、タイ人は心の切替えが上手だなと感心します。 N.N.さんは鋸でランブータンの枝下ろしをしています。 楽しげなその表情からは「ケーオ」の事が心配で仕方ない陰りは感じられません。 私はといえば、「椅子があった方が摘み取り易い」 「脚立を使うともっと摘み取り易い」と、あれやこれや理由を見つけては「ケーオ」の様子を見に行ってました。 
最初に椅子を取りに行った時、「ケーオ」はさっきのトイレにはいませんでした。 今日は月例瞑想指導会の日なので、いつもよりもトイレを利用する人が多くて落ち着かないのかもしれません。 あちこち探し回ると、厨房の隣にある「洗い場」に置いてあるテーブルの下で寝ていました。  「ケーオ」がここで休む事は先ずありませんが、外敵からは見付かりづらく、自分は周りの様子が良く分かる場所だと思います。 野生の血がさせるのかも知れません。 さっきと違って短い呼吸ではなく、注意深く観察しないと分からない位のゆっくりした浅い呼吸です。

   コブラの毒は1~2時間が山だと言われてます。  「毒吹きコブラ」ではなく、普通のコブラに咬まれたのであれば、「ケーオ」の生死はあと1時間程で決まる事になります。 又、タイに「毒吹きコブラ」はあまりいないとされています。 本当に毒吹きコブラにやられたのでしょうか? 兎に角、今の私にはじっと見守る以外に何もしてあげられません。 回復を祈りローンコーンの樹に戻りました。


私達が摘んだこの樹は甘みにほどよい酸味が加わった、
「完熟果実」だけがもつ豊潤な味でした。


 素人がああだこうだと言いながら摘むのですし、摘むより自分の口に運ぶ方が忙しいのですから作業は中々はかどりませんが、1時間も経たないうちに椅子で手が届く範囲は摘み終わりました。 今度は脚立を取って来ると言って「ケーオ」の様子を見に行ったのですが、さっきのテーブルの下にはいません。 どこへ行ったのかとキョロキョロ辺りを見回すと、何時の間にか来たのか、私の後ろに両目をつぶったまま座っています。  この時間に普通に動けるならば、咬まれた訳ではなさそうです。  取り敢えず命に別状がない事にホッとしましたが、両まぶた、特に右が大きく腫れ、膿が流れています。  症状を確かめたくて右側を覗き込むと、顔を逸らして見せようとはしません。  本能的に急所を晒す事を避けているのでしょうか?  その痛々しい姿を見ていると、居た堪れなくなって私も涙が溢れてきました。  もう一度眼球洗浄をして、「蜜蝋」を塗った方がいいだろうと思い、さっのトイレに置きっ放しにして出てきた「聖水」と「蜜蝋」を取りに行こうと腰を上げようとしたその時、「ケーオ」が突然「お手」をして来ました。 目は開かないけれど真っ直ぐにこちらを向き、何かをねだるように口を開いて舌を出すいつもの仕草が堪らなく愛おしいものに感じられました。

   「もしかしたら、お腹が空いているのかも知れないな。 厨房に何かある筈だ。」
 野生の動物は病気や怪我をした時には殆ど食事を摂らず、回復する迄じっとしているものなのだそうです。  以前、「ケーオ」が 「チャオクワイ」と骨の取り合いで大き喧嘩をした時、「ケーオ」はいつものように勝ったものの、左目の少し下にかなり深い傷を負った事がありました。 その時は傷口が塞がるまで殆ど何も食べずにじっとしていました。  食欲が有るならば、症状は大した事がないのかも知れません。  それに、空腹時に食べ物が目の前にあれば少しはおとなしくするだろうから、首を抱えてもう片方の手で「蜜蝋」を塗れるかもしれません。 できる事はできる時にやっておいた方がいいでしょう。


厨房脇の洗い場のテーブルの下でピクリとも動かずに寝ていました。



 そんな事を考えていたら突然、体の向きを180度変えてお堂の方へトボトボと歩いてゆきました。 「お手」をした直後に、向こうを向いて歩き出すなんて初めての事です。

   「ケーオ、何処行くの?」
   「一体どうしたの?」
   声を掛けながらも「お堂の裏口にある駐車場で休みたいのかな? でもそれならわざわざお手なんかしないはずだし・・・。」 と不思議に思いました。
お堂の入口の前で「ケーオ」は立ち止まり、「お座り」の姿勢で扉の中をじっと見詰めています。 目をつぶっているはずなのですが、ピクリとも動かずに中を見詰めているその姿勢はますます不可思議です。 というのも、もし扉を開けたければ、前足と鼻先を使って扉を開ける事ができるのです。 「中に何かあるのかな?」 と扉に近付いても、「ケーオ」は相変わらずピクリとも動きません。 「中に入りたいのかな?」 そう思いながら扉を少しだけ開けたのですが、中には誰もいません。
   「何? 中に入りたいの?」
 そう語りかけると、「ケーオ」は急に腰を上げました。 お堂の中に犬を上げてはいけない事になっています。 でも、あまりに真剣にお堂の中を見詰めているその姿を見て、「怒られてもいいや」と感じ、周りを見回しても誰もいない事を確認してからお堂の扉を開けてあげました。



祭壇下に隠れるように寝ていた「ケーオ」
右目からは膿が流れ落ちてくるので常に舐めて拭き取っていました。



   中に入ってビックリです。 「チャオクワイ」がグーグー寝ています。 自分で扉を開けられないはずなのに、いつの間に中に入ったのでしょう? 普段の「ケーオ」なら、「チャオクワイ」が中にいたなら自分も構わず入ってゆくはずです。 それが今日は扉を開けてもらうまでジッと待っていたのです。
   中に入ると真っ直ぐ歩いてゆき、仏前で「お座り」をしました。 もしも出家者が座っていれば、ちょうど「お手」ができる位置です。 そして暫くの間、仏像の方を向いてじっとしていました。 私も仏前に礼をすると、「ケーオ」は仏像の裏に廻り、目立たないように小さく丸くなって寝てしまいました。 余程この場所で休みたかったのでしょう、とても気持ちよさそうです。 いつもなら例えお堂の中に入っても、出家者に「お手」をして直ぐに出てゆくので、特別に目をつぶって中に入れてあげたつもりでしたから、私もちょっと戸惑いました。 でもさすがに今、「ケーオ」をここから出す気にはなれず、仏前に礼をして、そっとお堂を出てゆきました。


写真ではあまり分かりませんが、
両まぶた共にひどく腫れてしまい、とても痛々しい姿でした。



 その後もう一度「ケーオ」の様子を見に「お堂」の中へ行きましたが、さっきと同様小さくなって寝ていましたのでそっと寝かしておいてあげました。

 収穫も終わり、疲れたので「クティ(僧房)」でシャワーを浴び、仮眠を取り、目が覚めたのは読経の時間でした。 皆、お堂に集まっていますが、さっきの場所に「ケーオ」はいませんでした。 何処に行ったのか、どうしているのか心配でしたけれどどうしようもありません。 読経が終わり法話のまでの休憩時間中に探したのですが見つからず、法話も上の空で聞いていました。

   この日は「ケーオ」の世話係の T.W.さんが、実家からお婆ちゃんを連れて帰ってくる予定でした。 「ケーオ」の姿を見たらとても驚くはずです。 朝、実家を出たと聞いていたのに未だ到着していませんから、いつもより随分と時間がかかっています。 法話が終わると「クティ」に戻りました。 隣の「クティ」に灯りが付いていますから、T.W.さんとお婆ちゃんはもう到着していたのでしょう。 近付くと皆がベランダに集まって話をしています。 お婆ちゃんに挨拶をしようと覗き込むと、お婆ちゃんの前で「ケーオ」が「お座り」をしていました。
   「ケーオ、よくなったのかい?」
挨拶も忘れ、思わず声を上げながら覗き込むと、右目がさっきよりも大きく腫れ上り、涙に膿が混じって流れていました。 お昼よりも痛々しい 姿です。 お婆ちゃんは2~3ヶ月に1回程度の割合で、実家からこの「小さなお寺」にやってきます。 お婆ちゃんがじっと「ケーオ」を見詰めながら
   「可哀想にね」
  とつぶやくと、それに答えるかのように「お手」をしてました。

 皆の話では、果物を摘み終わった後でメーチーが「ケーオ」の様子を見たとき、「お座り」しながら涙をポロポロとこぼしていたそうです。



近くで見るとまるで涙を流しているようでした。



   消毒効果がある薬草を飲ませようとしても嫌がるので、T.W.さんは布に含ませて目の回りを拭いたり、目をこする前足を濡らしたりしていました。

 「久しぶりにケーオに会えるから、大好きな御菓子を沢山買ってきてあげたのに、それどころじゃなくなっちゃったわね。」
   そう言いながらT.W.さんは丹念に目の回りを拭いています。 「ケーオ」も黙っておとなしく吹いて貰っていますが、他の人だとこうはいきません。 誰か一人が押さえ付けていないと嫌がって逃げてしまいます。 慣れていない人なら噛み付かれるでしょう。 でも T.W.さんだけは例え顔を少し背けても 、逃げたりせず、まるで縫いぐるみのように大人しくしています。 やっぱり「飼い主」には忠実なのだなと思いました。

2012年7月25日水曜日

毒吹きコブラ 1 (タイの日常生活)

 6月15~17日は「小さなお寺」で月例瞑想指導会がありました。 この3日間、参加者は原則として「八戒」を守ります。  在家信者は普段は「五戒」を守った生活をするので「三戒」増える訳ですが、事実上は午後の食事を摂らないだけです。 


写真を撮られるのが大嫌いな「ケーオ」が、
この日は珍しくカメラを向けても笑顔でした。






 最終日の3日目に僧侶を招く際の中心的な喜捨物である「果物」は、いつも信者からの寄進物を主に、不足分を市場で買い足して来ますが、この時丁度、境内にたわわに実ったランブータンとローンコーンがあったので、2日目の午後は皆でその収穫をしようという事になりました。 ちょっと変わった「研鑽」ですが、心のこもった「喜捨物」だと思います。 樹上で完熟した果実ですし農薬は使っていないので、食べたい人は好きなだけ食べられるようにとわざわざ「八戒」を「五戒」に改めました。  私は前日の休憩時間に摘み食いしましたが、とても美味しいランブータンでした。

「瞑想指導会」がある日は知らない人も多数来るので、
苛々している事が多いのに、この日は珍しく上機嫌。




 市場に出回る果物は、各種の肥料を施す時期と量が厳密に決められており、その通りにすれば高品質の果実が実るそうです。 「小さなお寺」でもその肥料を用意しているのですが、行事に追われたり人手が足りない時には後回しになってしまい、近所の果樹園農家の人達が気を遣って手伝ってくれたりしていますが、結構杜撰な管理です。 まあ、本業ではないのですから仕方ありません。 ですから「糖度」は市販のものより低いかも知れません。 それでも完熟したもぎたての果実の美味しさは、市場で購入する高級品にもない豊潤なものです。


 数本あるランブータンの樹下には熟して自然に落ちた実が 一面に広がっています。 「枝切鋏に似た『果実収穫器』は先端が鋏ではなく『三枚刃鋏み』になっていて、小枝を掴んだら軽く捻ると、房ごとランブータンを摘み取る事が出来ます。 それを籠で受けながら、間を見計らっては手の届く高さに成っている実を口に放り込みます。  大半の人は、私と同様に始めての経験だったので皆、結構はしゃいでいます。

手が届く高さのランブータンはそのまま摘み取ります。



私はふと周りを見回して、「ケーオ」がいない事に気付きました。  この「小さなお寺」の関係者が林の中に入ると、呼んだ訳でもないのにいつも必ずそばにいました。  たまに蛇や蠍等の危険な動物を見つけると追い払ったりしてくれるので案外頼りになります。  隣家の土地を購入したばかりの頃、メーチーが林の中に入った時には大蛇を見つけたて追い払ったり、お腹に60以上の卵を抱えたコブラを見つけて、チャオクワイと共同で噛み殺した事もあります。  小さな蛇などは手慣れたもので、前足でペタンと踏み付けて息の根を止めてしまいます。



突然、弱気な泣き声で目が開かないとN.N.さんに訴える「ケーオ」




 そう言えば最近、以前より昼寝している時間が長くなっているようで、いくら呼んでも姿を現さないし、どこを探しても見つからない事が多くなってきました。  昨年末に「小さなお寺」が裏にある敷地を購入してからは、見廻る「縄張り」が倍近くに広がり、走り回る時間も量も増えたので、7~8歳の「ケーオ」には少しきついのかもしれません。


怖がりながら 眼の周りを拭いてもらっているところ


 暫くの間、ランブータンを摘んでいると、どこからやって来たのか「ケーオ」が首をうなだれながら世話係のN.N.さんの所に向って行くのが見えました。 いつもの覇気がないので気になって見ていると、
「どうしたの?、何したの?」
とN.N.さんの声が聞こえました。 近付いて見ると目の周りを濡れた布で拭いています。 更に近づくと拭った直後の鼻と右目の間に小さな赤い点が2つ見えたような気がしたのですが、次の瞬間には拭き取られて見えなくなりました。
「コブラ?」
嫌な胸騒ぎに襲われました。 勝気なケーオに似つかわしくない「クーン、クーン」という弱々しく小さな泣き声が聞こえました。 顔を拭き終わった後も目をつぶったままで、トボトボと食堂に向って歩いてゆきました。 真っ直ぐに歩いていますし、前を歩いていた人を避け、横をすり抜けて行ったのですから、目は見えている筈で、足取りもしっかりしていました。

「目にゴミでも入ったか蜂にまぶたでも刺されたのかも知れないな」
と思い、作業を続けようとしましたが、さっきの嫌な胸騒ぎが治まりません。 我慢出来ずに籠を放り投げて「ケーオ」の後を追いました。



私には一瞬、蛇が咬んだような2つの赤い点がみえました。


  「ケーオ」は厨房とその先にあるトイレの間の細い通路で体を丸めて休んでいましたが、私の声を聞くとこちらに向って歩いてきました。 両目を閉じ、向きや足元を確認するために時折開く左眼は白内障のように白濁していました。
「うわっ、これはマズイ!」
症状を確認しよう私が顔を近づけると、「ケーオ」は顔を背けて症状を見せようとしません。それでも構わずに覗き込むと、嫌がって女子トイレの中に逃げ込んでしまいました。 綺麗な総タイル張りのこのトイレの洗面台の下は、三方がタイルになって冷んやりと涼しいからでしょうか、「ケーオ」のお気に入りの休憩場所です。 誰にも邪魔されずにゆっくりと休みたい時は大抵ここにいます。 目の症状を確認しようと近付いて覗き込むと、立ち上がって又どこか他の場所へ行こうとするので、抑え付ける仕草を取りながら少し距離を取り、その場から動かないようにさせて暫くの間、様子をみました。  両まぶたともに腫れていますが、右の腫れが大きいようです。  それ程気温が高いとも思えないのに、かなり激しく舌を出して荒い呼吸を続けています。 暫く眺めていると冷たいタイルを舐め始めました。 炎症で身体が熱を持ち始めたのかも知れません。

木に登って摘み取る人もいました。



 「ケーオ」の様子が少し落ち着いてきたので、腫れているまぶたを観察しようと顔を近づけたら、舌を向けて舐める素振りをしてきます。 こんな時でも愛情表現をしてくるのか、こんな時だから甘えてくるのか、それは分かりませんが、兎に角何とかしてあげないといけません。
先ず応急処置として目を洗わないといけないはずですが、一人がしっかりと掴まえてもう1人が水を掛け洗わないと、嫌がって逃げてしまいます。 今日、ここにいるメンバーで、「ケーオ」を押さえられる人は多分、N.N.さんくらいです。 直ぐに戻って症状を説明しましたが、こんな時タイ人はとても楽天的です。
「多分、何とかなるから大丈夫よ。」
すると近所の人が、
「うちの犬もこの間、毒吹きコブラにやられたけれども、聖水で目を洗って1週間もしたら治ったわよ。」

枝は以外と柔軟性があるので、
手に届く枝は力一杯引っ張って摘み取ります。



ここのメーチーの「聖水」で長年苦しんだ症状が改善した人は沢山います。 私が鬱を始めとする様々な精神疾患特有の症状に悩まされたとき、最も効果があったのも、ここのメーチーから頂いた「聖水」でした。 メーチーに御堂に置いてある「聖水」を使う許可をもらい、「蜜蝋」も分けてもらいました。 タイのお寺には大抵置いてある「蜜蝋」は、蜂の巣を始め様々な植物を混ぜて作るようですが材料や製法はそれぞれ異なり、効能も大きく異なります。 ここの「蜜蝋」はある有名な高僧も「とてもものがよい」と気に入ったほど質の良いものです。 一説によれば、この高僧が住職を務めるお寺はタイで最も「金持ち」なお寺だそうで、タイ全国から最高級の喜捨物物が集まってきて管理しきれないので「博物館」を作ったほどです。 ちょっとやそっとの物を気に入ったりはしません。

高い所は「果実収穫器」を使います。


 「聖水」と「蜜蝋」を持って「ケーオ」が休んでいるトイレに戻りましたが、もし抵抗すれば目を洗う事は難しいので、どうすれば片手で押さえ付け、もう片方の手で目を洗えるか考えてしまいました。 誰に頼んでも、
「私じゃあ、『ケーオ』を抑え付けようとたら、噛み付かれちゃう。」
と尻込みしてしまい、手伝ってくれないのです。

2012年6月22日金曜日

アリの巣 2

 鞄の中の潰れたアリとその卵を拭き取りながら、ようやく状況が飲み込めてきました。 「小さなお寺」のクティは直ぐ後ろの山の麓にあります。 大雨が降りそうな時、よく観察していると、卵を咥えたアリが隊列を組んで山の中に移動します。 多分、木ノ上にでも卵を避難させるのでしょう。 そして、雨が止むと再び隊列を組んで山から降りてきます。 クティはアリの「巣」と「一時避難所」の間に位置している訳ですが、雨が降っても卵が安全な事が分かるのでしょう、ちょっと油断するとタンスの中や裏側に巣を作ってしまいます。 以前はベッドの中に巣くった事もありました。 そして私が丸2日間、タンスの上に鞄を置いていた間に、アリが巣を作ってしまったのです。 帰り支度を急いだので、鞄の中を見ずにパソコンや周辺機器を突っ込んでファスナーを閉めてしまったので、アリが逃げ出す暇がなかったのでしょう。

 そんな事を考えてふと足元を見ると、絨毯に
何十匹もの潰れたアリがからまっています。 私が鞄と窓の間を何度も往復している間に踏んづけてしまったのでしょう、捩れた体でピクピクしています。 社長が女性のこの会社は、「きれいな事務所にしたい」という思いで絨毯張りにしたのですが、そこに大きな赤アリが潰れて絡まっていては「台無し」になってしまいますし、露骨に「不快感」を私に向けてくるでしょう。 幸い、今日は月例の日本出張なので、一匹ずつゆっくりと摘み取る事ができましたが、こんな所を見つかったら、言い訳の常套句である

 「ここはタイですから、仕方ありませんね。」

 は多分使えないでしょう。
卵を咥えた大きな赤アリがウロウロしているバンコク事務所なんて、日系企業では聞いた事がありませんから。

  別にこの大きな赤アリに限りませんが、タイではアリは結構厄介な「害虫」です。 ほんの一瞬とはいえ、噛まれると強い痛みが走り、
種類によっては熟睡していても目が覚める程です。

 何故か「機械」が好きで、小さなアリはよく「壁掛け時計」の中に巣を作ります。 ギヤに引っかかって潰されてしまい、その死体が原因で時計が正常に動かなくなる事がたまにあります。

 又、パソコンの中に巣くう事もあります。 ハードディスクに入り込むと、動作不良の原因になります。 10年ほど前、中古ノートパソコン専門のパソコンショップでアルバイトをしていた事があります。 その時、ハードディスクの動作不良が原因らしいパソコンの修理現場に立ち会った事があります。 2.5インチハードディスクを取り出し、蓋を開けると中から無数のアリがウジャウジャと出てきました。 内部に殺虫スプレーを吹きかけて、天日干し約1時間。 その後もう一度殺虫スプレーを吹きかけて再度天日干しを約1時間。 最後にCRC-556の類似品を吹きかけ、ハードディスクを元に戻した所、そのノートは正常に動作するようになりました。 こんな事を2回も見ると、ノートパソコンのそばをアリが歩く事が許せなくなります。

 ですが、高級コンドミニアムにでも住んでいるならともかく、駅から歩いて3~4分の距離なのに部屋代が4,000バーツなんていう激安のアパートに住んでいる者には、アリと無縁の生活を送る事は夢の又夢。 部屋の中でゴキブリを目撃しないだけでも有り難いと感謝しなければなりません。

一度でいいから、バンコクに住む一般的な日本人の生活を謳歌してみたいものです。

 帰宅する前に、ベランダを覗き込むと、潰れた赤アリの死骸と卵が散在し、その周りには小さな黒アリが沢山たかっています。

 翌日出社してベランダを眺めましたが、昨日の出来事が嘘のようにきれいに片付いていました。

 バンコクにあるオフィスビルのベランダで起きた「食物連鎖」は、私に自然の力強さを感じさせてくれました。


2012年6月19日火曜日

アリの巣 1

 6月15・1617日の3日間、「小さなお寺」で月例瞑想指導会があったので、いつものように参加してきました。
参加者は庭にテントを張り、そこで休息を取ったり寝たりします。 それが嫌で最終日だけしか参加しない人もいます。
  私は大抵の場合、テントは利用せず、「クティ」と呼ばれる僧房に泊まっています。 ここには僧房が2軒あり、お坊さんが来られた時にはここで休息や睡眠をとって貰います。 それ以外にも、メーチーのお母さんが来られたときにも、ここに泊まります。 それ以外の時は厨房をまかなっているK.N.さんが寝泊まりしています。 とても温厚でメーチーの話をよく理解している方で、説法が難しかったりして私が理解できないとき、夜寝る前にK.N.さんからもう一度解りやすく説明して貰っています。

  ここに到着すると、いつものように「ケーオ」と「チャオクワイ」、2匹の飼犬に餌をあげ、それからクティで着替え、鞄をいつものようにタンスの上にのせてから食堂に向かいました。
3日間(実質2日間)瞑想指導会が終了し、お土産の果物を
いつもより多く貰って、バンコクのアパートに戻りました。 この日の果物は「小さなお寺」の庭で取れたランブータンやローンコーンです。 殺生になるからと殺虫剤を使用していないので、付いていたアリがいつもより多かったようです。 大きな赤アリがアパートの中をうろうろするのでちょっと閉口しました。 ですが、タイでアリの事をぼやいてもどうにもなりません。 私の部屋には餌になるようなものはないので、そのうちいなくなるでしょう。 疲れていたので、その日はそのまま寝てしまいました。

 翌朝目が覚めても、部屋の中を赤アリがうろついているのを見て、気分が少し萎えました。 最悪は「アリの巣コロリ」でも使う必要があるかも知れません。 そんな事より、早くしないと会社に遅刻しそうなので、鞄にパソコンを突っ込んで、慌てて部屋を出ました。
 会社に到着して、私用パソコンを取り出そうとすると、鞄からアリが2~3匹出てきました。 大きな赤アリが白い事務机の上をウロウロする様は私的には大きな「ミスマッチ」です。 そして鞄の中にはまだいるかも知れません。 それは幸先の悪い1日のスタートを予感さます。 こんな時に苛々しながら物事をすると、とんでもないミスを犯しそうですから、気を落ち着けながらノートパソコンを開きました。 次にACアダプターを取出して机に置いてコンセントに指すと、机の上をまた赤アリが歩いています。 ACアダプターをよく見ると、白いコードに赤アリが7~8匹たかっていました。 嫌な予感がしたので鞄の中を見ると、大きな赤アリが2~30匹ほど歩いています。 携帯用の充電器や予備バッテリーを入れたポーチを取出すと、フラップの下からもぞろぞろと出てきます。 中には「卵」を咥えているのもいます。 フラップを開き、中身を取出すと、卵を咥えて慌てふためいたアリが2~30匹ほど出てきました。 慌てて事務所の窓を開け、ベランダにはたき落としました。 ポーチの中には卵が沢山入っています。 何でこんな事になっているのか分かりませんが、兎に角アリと卵を出さなくてはなりません。 口を下に向け、鞄の底を何度も叩いて落とし、つぶれてしまった卵をティッシュで拭き取りました。

 「もしかして・・・」
 そう思って、予備携帯やメモリーを入れてある小さな鞄を出すと、そこにも赤アリがたかっています。 さっきより数が少ないのですが、外側に潰れた卵が5~6個くっついています。 同様にベランダではたき落とし、ティッシュで拭き取りました。 イサーンでは赤アリの卵を好んで食べますし、私も好物ですが、自分の鞄の中にいる赤アリの卵は食べる気になりません。

 念のために他の中身も調べた方がいいだろうと鞄の中を見ると、そこはまるで「アリの巣」のようでした。 100匹以上のアリと、ほぼ同数の「卵」が私の目に飛び込んできたのです。 急いで鞄の中身を全部出し、鞄を逆さまにしてアリと卵をはたき落としましたが、布製の鞄なのでアリもそう簡単には落ちてくれません。 全部叩き落とすにはかなりの時間がかかりました。 ふとベランダを見ると、そこには何百匹ものアリが慌てふためきながら潰れていない卵を探し、咥えて、安全な場所を求めて歩き廻っています。 オフィスビルでは滅多に見る事のない不思議な光景に、私は暫く目を奪われてしまいました。




2012年5月30日水曜日

漢方治療 2 (タイの日常生活)

やっと漢方医がやって来て、診察室に入るなり診察開始です。 診察札1番の私が呼ばれ中に入ると医師は椅子に向かって手を伸ばし、無言で腰掛けるように促しました。 椅子にかけるなり今度は左腕を出すように言われ、脈を見始めました。

以前治療を受けた漢方医も同じ事をしたので特に不思議にも感じませんでしたが、腕の良い漢方医は、これだけで患者の全身の状態が手に取るように分かるのだそうです。 医師によっては脈を診るときに指を小刻みに振るわせます。 ある人からは、指先から「気」を放ち、全身を巡って返ってきた「気」の状態から患者の状態を診察するのだと聞いた事があります。



治療期間中の禁忌事項、新しい土瓶の使用前注意、漢方薬の煎じ方。
中国語・英語・タイ語表記してあり、初めて診察に来た人に渡されます。 


 左腕の次は右腕を見ました。 それが終わると紙に診断結果を書き込み始めました。

 「背痛と目眩。 目眩はそれ程重くはないけれど慢性的。 それと脂肪肝の初期。 血中脂肪がかなり高いですね。」
 「背痛と目眩はその通りで、取り敢えずこの2つの症状を改善して欲しいと思います。 でも、脂肪肝や高脂血症の自覚症状は特にありません(ある訳ないけれど・・・)。 それよりも階段を1階分登っただけでも息切れと動悸がします。 子供の頃「リウマチ熱」に罹ったので、弁膜の働きが少し弱いみたいですから心配なのです。」
 「心臓・腎臓、共に問題ありません。 高脂血症で血液循環が悪くなり、心臓に負担がかかりやすくなっているだけです。 取り敢えず1週間分処方しますから様子を見て下さい。」




処方箋。 漢字で書いてあるみたいです。 縦3列の筆跡と
右側の縦印刷の間に書かれている文字が「分量でしょうか?


  患者から症状を聞かずに診断を下すのはちょっと驚きでした。 ここ数年健康診断などの検査をしていないので、本当に高脂血症かどうかは分かりませんが、心臓に問題がないなら一安心です。

「診察料」として200Bを直接医師に支払います。 医師が書いた処方箋を薬剤師(らしき人)に手渡すと、慣れた手付きであっという間に処方が終了します。

後で分かった事ですが、ここは飽くまでも「漢方薬局」であって、中華街に散在する他の薬局と同じです。 違いは「正確な診断」を下せる医師がいて、症状に最適な処方をしてくれるのです。 だから処方箋を持っていれば、別に医師の診察を受けて200Bを支払う必要はないのです。

でも多分、そんな事をするならここには来ないと思います。 もっと安くて薬の種類が豊富な「漢方薬局」は中華街に行けばいくらでもあります。 多少高くても、効果が出るのが他より早く、治療期間が短いので、結果的に安く付く一流の診断が「売り」で、患者もそれが目的できているのですから。


製材所や漬物工場のクズをかき集めて乾燥させたような漢方薬


 その日は一度帰宅して直ぐに出社しなけらばならないので、のんびり薬を煎じてもいられません。 翌朝から煎じ薬を飲み始めるのですが、藁半紙のようなチープなものではなく、しっかりした紙で薬包み、弾力性のない輪ゴムを2本使って止めてあります。 開くと何種類もの訳の分からないものが入っています。 パッと目にはとても「うさん臭い」代物で、「鰯の頭も信心から」という故人
の教えを自分に言い聞かせながら煎じました。

1時間ほど弱火で煎じ、コップ1杯分ほどにまで煮詰まったら飲むのだそうですが、言われたように煮詰まりません。 コップ1杯になるまでに2時間以上かかりました。 念のためにと早起きしたからいいようなものの、いつもの時間に起きていたら出勤時間に間に合わない所でした。 もしこんな事を電磁調理器でやっていたら、いくら設定温度を低くしても、電気代が馬鹿になりません。 これから毎日早起きしなければなりませんし、夕方も何処にも行かずに「ピクニック」のそばで火の番をしなければいけません。

「厄介な事をはじめちゃったな。」

そう考えるとちょっと気が重くなりました。



煎じた薬を飲み終え、夕方もう一度煎じられるのを待つ漢方薬。


  3日ほどそんな事を続けてから、
処方箋の下欄に目を通したら、朝はコップ3杯の水が1杯分になるまで煎じ、夕方はコップ2杯半の水が1杯分になるまで煎じると書いてありました。
  「薬の煎じ方にも書いておけよな。」
  そう思いながら「薬の煎じ方」をもう一度よく読むと、土瓶一杯に水を入れるのではなく、薬が「ひたひたになるまで」水を入れると書いてありました。 私が良く読んでいなかっただけだったのです。 タイ語もまだまだだなと反省させられました。



2012年5月27日日曜日

漢方治療 1 (タイの日常生活)

私が突然、「ピクニック」なんて危なっかしいものを買ってしまった理由は「漢方治療」を始めたからです。 漢方薬は土瓶で煎じなければならず、金属製のヤカンを使用してはならないそうです。

 「電磁調理器」は「土瓶」も使えると勘違いしていたので、先日知人から譲り受けたばかりの「電磁調理器」と「土瓶」を使って煎じるつもりでいました。 周りから「無理だよ」言われて、間違いに気付き、慌ててピクニックを購入したのです。



一般の漢方薬局より薬の数がずっと少なく、タッパーを多用している。
後ろに 昔ながらの薬棚が見える。


 7~8年前にも一度、漢方治療を受けた事があります。 その際、医師からは、
 「気が殆ど回っていません。 まるで死人みたいです。 未だ若いのにこんな人は珍しいですし、こんな状態なのに毎日仕事ができる人も珍しいです。 治療にはかなりの時間がかかりますよ。」
  と言われた事があります。




受付兼看護婦? 一度話し出すと止まらない


 当時勤務していた会社が地方の工業団地に移転した為に、そこでの漢方治療を断念しましたが、その漢方医の言葉がずっと頭に引っかかっていました。 実際、程度の軽重はあれ、慢性疲労が治る事はありませんでした。

 昨年の9月から、久しぶりにバンコクで働き始めると、再び以前のような強い慢性疲労に悩まされ始めました。 その上、背痛と目眩で仕事に殆ど集中できません。 病院に行っても「鎮痛剤」「筋肉弛緩剤」「目眩止め」などの薬を処方され、「休養を充分にとりなさい」と言われるだけなのは分かっています。 知人に頼み、先月22日に漢方医を紹介して貰う事になりました。




全部で7包、7日分です。 真ん中に挟んである紙は「処方箋」。
薄いピンク色の紙の大きさは約30㎝ x 30㎝。


 到着するとシャッターが閉まっており、中には人がいる気配がありません。
  「日曜日は休みなのかな?」
  慌てて心当たり数件に電話確認をしていました。 分かった事は日曜日のみ休診なのだそうです。 仕方ないので翌日、会社に遅刻の連絡をして、再度漢方医を訪ねました。
  しかし、昨日同様シャッターが閉まっています。 早く来すぎたのかも知れないからと暫く辺りをウロウロしていると、隣の家の人が、
  「先生は今、中国に行ってるよ。 帰ってくるのは来月の3日だよ。」
  と教えてくれました。

 「張り紙ぐらいしておけよな・・・。 無駄足踏んだじゃないか。」


事務用コピー用紙より薄くてツヤと腰のある紙を使い、
大きめの弾力性のない輪ゴムで止めてある、イージーな包装。


経験上、こういった情報は誤っている事は珍しくありません。 念のために5月3日は電話で医師が帰ってきている事を確認 した上で、翌日、診察に行きました。
  腕が良いから患者が多いと知人から聞いていましたし、診察は 8:30 から開始と言われましたので 8:00 には到着するようにアパートを出ました。  まさかの1番乗りです。 これなら混んでいても診察が直ぐに終わるとホッとしました。
  所が、8:30 を過ぎ、9:00近くになっても漢方医はやって来ません。 患者は皆、ぼんやりと待っています。
  9:00を過ぎると少し苛々してきましたが、周りを見渡すと誰も医師が来ない事を気にしていない様子です。
  漢方医がやって来たのは9:30ちょっと前でした。
  後で考え直したら、「診察開始」が8:30と言われたのですから、「受付開始」が8:30と解釈してのんびり待っていなくてはいけなかったのです。 タイで10年以上暮らしているのに、直感的にそんな事が分からないなんて、未だにこの国に慣れてはいないなと反省させられました。


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ピクニック

2012年5月17日木曜日

ピクニック (タイの日常生活)


 ついに買ってしまいました。
 その名も「ピクニック」。

 タイの事を少しでも知っている人なら、つい顔をしかめたくなる危険な香りが漂うタイの日常生活品の1つです。 
お値段は1,600バーツ(約4,100円)でした。



「ピクニック」、日本人にはないネーミングセンス。


 LPガスボンベの口に直接コンロを乗せて、五徳と風防まで付けた逸品です。 私が購入したのはガスが4㎏、ボンペが6.3㎏の小型タイプです。 一人暮らしで料理が全くできない私には充分な大きさです。 また、ガスが無くなったら電話をかければ充填に来てくれます。 ガス補充費は160バーツ(約410円)。 長く使えば充分に割が合いそうです。

 塗装に傷が付かないようにでしょうか? 硬質ビニル製のネットが被せてあります。

 あまり火を使わない屋台でも、この大きさを使っているのを見かけますが、大抵はもっと大きなタイプを使っていますし、4~5人家族でももう一回り大きいのを使っています。 用途に合わせて何種類もの大きさの中から選べるのです。




見かけより遙かに安定していて、簡単には倒れません。


 一度、道沿いに並ぶ屋台で食事を注文しようとしたら、ノブの付け根の所からガスが漏れ、そこに引火したので一目散に逃げた事があります。 遠目に見ていたら、周りの人達も蜘蛛の子を散らすように逃げていました。

 屋台のおばちゃんも一度は慌てて逃げ出したのですが、気を取り直して屋台に戻り、濡れ雑巾でガス漏れ箇所をパタパタと叩いて消火し、ギュッとノブをねじって事なきを得た事がありました。

 以前から危ないと思っていましたし、実際にガス爆発で亡くなる人は毎年後を絶ちません。 




取っ手の取付角度が独創的な土瓶


 私が日本でワンルームマンションに暮らしていたとき、食費を浮かせる為に自炊していた事がありました。 牛筋を大きな鍋で煮込み、ビニール袋に小分けして冷凍保存をしていたのですが、煮込んでいる最中に居眠りをしてしまい、何度も焦げ付かせていまいました。

 一度は煮物の最中に近所に買い物に出かけ、火をかけっぱなしな事をすっかり忘れてそのまま知人の家に遊びに行ってしまいました。 戻ると換気扇から煙がもうもうと出ていました。 部屋のドアを開けて中に入ると煙で先が見えず、鍋の中の牛筋は真っ黒焦げでした。 近所の人が通報したので消防車までやって来て、大騒ぎになってしまった事があります。



乗せてみると、妙な取り合わせです。


  そんな私が、これまで避けていた危ないピクニックを購入したのですから、これは危険極まりない出来事です。 もし「ブログ」や「なう」の更新が1~2ヶ月滞っていたら、愚かな日本人がピクニックの爆発でいなくなったものと思って下さい。

 そうならないためには、余程心して取り扱わないといけません。




風防は取り外し可能


 前日に購入した土瓶を乗せてみました。 取っ手の角度が日本のものと異なり、とても使い辛いです。 新しい土瓶はバケツなどに水を張り、約2時間その中に沈めておいてから使うものなのだそうです。

 結構、準備が大変です。